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晴耕雨読 | 秋田県小安峡温泉 湯の宿 元湯くらぶの公式ブログ

和醸良酒 生粋秋田仕込み 「天の戸」 浅舞酒造
一昨日まで「年末だというのに雪が全く無いなんて…」と話していたんですが、昨日の未明から降り続いた雪であっと言う間に銀世界となりました。頻繁に除雪車が出動し圧雪しているので道路状況は良いのですが、非常に風が強く吹雪いているために5メートル先が真っ白で何も見えないという状況。こんな大荒れの天気になってしまったので、蔵見学は後日に変更させていただこうかな…とも思いましたが、自分が選んでメニューに加えたお酒(天の戸 美稲)の蔵はどうしても自分の目で観ておかないと気が済まないんです。やっぱり、作り手の「心」の部分と、その蔵が持つ雰囲気というのは、自分の中ではものすごく重要なことなので…。

ということで、猛吹雪の中、横手市平鹿町の浅舞酒造まで行ってきました。蔵の看板酒である「天の戸 美稲」の醸造元である浅舞酒造は1917年(大正6年)に創業。製造石数は1000石で、秋田県内の酒蔵の中では最も規模の小さな酒蔵ということになります。

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仕込み水は皆瀬川・成瀬川の伏流水。試飲してきましたが、口当たりがやわらかく、まろやかな水でした。

天の戸で使用している酒米は全6品種(美山錦、吟の精、亀の尾、秋田酒こまち、美郷錦、星あかり)。その6品種全てが地元の「JA秋田ふるさと平鹿町酒米研究会」による減農薬・減化学肥料栽培。天の戸の杜氏である森谷康市さんも会員の一人で、夏は田んぼで美山錦を栽培し、酒造期は蔵に入り酒を造ります。

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蒸米が行われる釜場。

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蔵内では杜氏の森谷さんご自身の案内により、麹室や酒母室までじっくりと見せていただきました。中でも麹が出来る仕組みや、天の戸で働く蔵人への配慮、効率よく仕事をするための工夫など、とても丁寧に分かり易く説明していただきました。

お酒の瓶にラベルを貼る作業や梱包、出荷の作業も見せていただきましたが、頭に巻いたタオルがトレードマークの柿崎智哉さんもテキパキと出荷の作業をしていました。蔵人の皆さんが活き活きと仕事をされていてとても家庭的な雰囲気。いいですねー、こういう酒蔵って。

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仕込み蔵で説明を受けていると、天の戸公式ブログ「夏田冬蔵」でお馴染みの「ごんベー」こと鈴木さんがカメラ持参でやってきました。天の戸のブログは数年前から毎日のように見ていたのですが、実際に更新の作業をされているごんベーさんとは初対面。ずっと前から顔は知っているので、なんだか初対面とは思えずに嬉しいやら恥ずかしいやらで複雑な心境でした。あまり話も出来ないまま、ごんべーさんは撮影を終えると仕事に戻っていきましたが、今年の大晦日で夏田冬蔵の連続更新がなんと400日に到達するそうです。

何かの理由でごんべーさんが更新できない日は別の誰かがフォローできるような体制を取っているそうですが、それでも丸一年以上も毎日更新を続けるというのは並大抵のことではありません。いやいや、これは本当に凄い。

森谷杜氏の話が面白くて、あっと言う間に2時間近くが経過。そろそろお昼だし帰らないと…と思っていたところ「一緒にお昼ご飯を食べましょう」と声を掛けていただき、蔵人の皆さんと一緒にお昼までご馳走になってきました。我が家は旅館なので毎日が賄い料理なのですが、大人数での食事はやっぱりいいものですよね。社長の柿崎さん、杜氏の森谷さんも同席で、蔵人の皆さんと一緒に和気藹々のご飯なんて貴重な体験をさせていただきました。本当にありがとうございました。

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20BY 美稲の醪。「天の戸」といえぱ「美稲」。全国的にも有名で、日本酒ファンなら誰でも知っている純米酒の代表銘柄になっています。

P.S.お土産に頂いた「シュワトロ」。活性系の酒は初めて飲みましたが、これは旨い!。やや甘口でとても飲みやすく、シュワシュワ感がなんとも心地よい感じ。下層のヨーグルト状になっている部分も甘すぎず絶妙でした。飲み口がやわらかいのでスイスイと飲めるんですが、最後のキリッとした後味に天の戸らしさも感じました。

まだ皿洗いや後片付が残っているのに4人であっという間に720mlを飲みきってしまい、ほろ酔い気分で後片付けをした土曜日の夜でした。「写真を撮ってから飲めば良かった…」と後悔しても後の祭り。天の戸さん、ごちそうさまでした。今後ともよろしくお願い致します。


「天の戸」 醸造元 浅舞酒造株式会社
〒013-0105 秋田県横手市平鹿町浅舞字浅舞388番地
TEL:0182-24-1030 / FAX:0182-24-0708
http://www.amanoto.co.jp/
by m_kurabu | 2008-12-27 23:56 | 蔵元探訪:浅舞酒造 | Comments(0)
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